今日は限局矯正(LOT)、アップライトの治療を紹介いたします。
部分矯正(MTM)とも言います。
この患者様は左下6番目の奥歯を十数年前に喪失した後、そのまま放置していたため、7番目の奥歯が手前に倒れてしまいました。歯が倒れ、傾斜が強いところは歯周病に罹患しやすいです。
術前のレントゲン
黄矢印の歯(左下7番目の奥歯)が手前(画面左側)に倒れています。隣の歯がなくなると、そのスペースに歯が倒れてしまうんです。赤矢印の部分に歯周ポケットがあります。このように歯と骨の角度が小さいと歯周ポケットができやすくなります。
そこで、インプラントアンカーを用いて限局矯正(LOT)を行いました。術後レントゲンです。
黄矢印の歯が真っ直ぐに起きています。また赤矢印の骨と歯の角度がほぼ正常になり、歯周ポケットが消失しました。後ろにあった親知らずは抜かせていただき、歯がない右下に移植しました。歯の移植については今度紹介いたします!
限局矯正開始時の口腔内写真です。左下7番目の歯(黄矢印)が倒れています。青矢印はインプラントアンカーです。インプラントアンカーから倒れた歯にゴムをかけて起こしていきます。
限局矯正(アップライト)後の状態です。黄矢印の歯が真っ直ぐになりました。
歯が倒れたままであると、差し歯(ブリッジ)の治療ができません。ブリッジの治療ができる状態まで歯を移動することができ、なおかつ歯周ポケットはなくなりました。
歯の移動の際には固定源が必要です。インプラントアンカーは骨に埋入するので(痛みは全くありません!施術時間も数分です)、絶対的な固定源になります。
他の歯を固定源にした場合、その歯も一緒に動いてしまうことがあります(アンカレッジロスといいます)。そのような心配がなく、装置も簡素化できるので、患者様に大きなメリットとなります。
仮歯(プロビジョナルレストレーション)を入れた状態です。
これでしっかり噛めるようになりました!まだまだ治療は続きますが、最後まで妥協せず、丁寧に
治療させていただきます!
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